◆アルミ・インサイト◆
このコーナーではアルミの情報や特徴等をご紹介しております。
◇アルミの材質について◇
アルミの合金は1000番~8000番まであり、1000桁単位の数字によって添加する元素が異なります。添加する元素によってそれぞれの特性を持ちます。今回は、アルミの板材と丸棒によく利用される合金をご紹介します。
前回は、アルミの板材と丸棒によく利用される1000番系と5000番系をご紹介させていただきました。今回は押出形材で利用される合金と強度が強い合金のご紹介です。
①6000番系【A6063 A6061 A6005 (6N01) 】
6000番系は主にマグネシウムとシリコンを添加した合金です。
特性として、前回紹介した5000番系のアルミ材よりも耐食性が優れております。
また6000番系の中でもA6063は押出加工性に優れ、窓枠サッシを中心とした建材によく利用されます。
②2000番系【A2017 A2024】
2000番系のアルミ材は主に銅を添加した合金でジュラルミンと呼ばれます。特徴として高い強度を持っております。
ただし銅を添加しているため酸化しやすく、耐食性が低いのも特徴です。
その為、2000番系をよく使用する航空機部品などは、防食処理を行って耐食性を向上させています。
2000番系で代表的なのがA2017 A2024で、前者がジュラルミン、後者が超ジュラルミンです。
③7000番系【A7075 A7204】
アルミニウム合金の中で最も強度がある合金です。
主に銅・マグネシウム・亜鉛を添加したものと銅を含まないものの2種類がございます。
前者で代表的なものがA7075で、超々ジュラルミンと呼ばれます。後者で代表的なものはA7204(A7N01)で溶接性に優れたものになっており、鉄道車両やバンパー補強材に利用されています。
※ジュラルミンはラテン語で「hard」を意味する「durus」と「aluminium」の合成語とする説と、ジュラルミンが発見された地名のデュレン(Duren)とアルミニウムの合成語とする2つの説があります。
ジュラルミンと言えば「ジュラルミンケース」が有名ですが、
実は市場で販売されているジュラルミンケースの殆どはジュラルミンと呼ばれるアルミ合金では作られておらず、5000番系などのアルミ合金で作られております。
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