アルミ角パイプの「強度」とは?基本を理解する
アルミ角パイプの強度について考える前に、まず「強度」そのものの基本的な概念と、アルミ角パイプが持つ特性を理解することが重要です。アルミ角パイプが持つ基本的な強度特性
アルミニウムは、鉄の約1/3という軽量性が大きな特徴ですが、それ以外にも耐食性に優れ、加工しやすいといった多くのメリットを持っています。アルミ角パイプの強度を語る上で重要になるのは、「引張強さ」「耐力」「ヤング率(縦弾性係数)」といった指標です。引張強さは、材料がどれだけの引張荷重に耐えられるかを示す値です。耐力は、材料に永久的な変形(塑性変形)が生じ始める応力のことで、この値を超えると元の形に戻らなくなります。
ヤング率は、材料の変形しにくさ(剛性)を示す指標で、値が大きいほど変形しにくいことを意味します。 アルミニウム合金には様々な種類があり、添加する元素や熱処理によってこれらの強度特性は大きく変化します。そのため、用途に応じた合金の選定が強度を確保する上で非常に重要になります。
強度に影響を与える主な要因とは何か
アルミ角パイプの強度は、単一の要素で決まるわけではありません。主に以下の要素が複雑に影響し合います。・材質(合金の種類): 前述の通り、アルミニウム合金の種類(例:A6063、A6061など)によって強度特性は大きく異なります。 純アルミニウムに近い1000系は強度が低いですが、銅やマグネシウム、亜鉛などを添加した合金(2000系、5000系、6000系、7000系など)は高い強度を持ちます。
・パイプの断面積と肉厚: パイプの断面積が大きいほど、また肉厚が厚いほど、一般的に強度は高くなります。同じ外径でも肉厚が異なれば強度は変わります。
・パイプの形状: 角パイプの辺の長さや、角のR(丸み)の大きさなども、わずかながら強度に影響を与えることがあります。また、内部にリブ(補強のための突起)が設けられた特殊な形状のパイプは、単純な角パイプよりも強度が高い場合があります。
・熱処理: アルミニウム合金の種類によっては、T5処理(人工時効硬化処理)やT6処理(溶体化処理後人工時効硬化処理)などの熱処理を施すことで、強度を大幅に向上させることができます。
・荷重のかかり方: 曲げ荷重、圧縮荷重、ねじり荷重など、どのような種類の力がどのようにかかるかによって、必要な強度は変わってきます。
これらの要因を総合的に考慮して、適切なアルミ角パイプを選定する必要があります。
一般的なアルミ角パイプの強度目安
代表的なアルミ角パイプの材質としてよく使用されるA6063-T5材を例に、おおよその強度目安を示します。ただし、これらはあくまで参考値であり、実際の設計では安全率を考慮し、詳細な計算を行う必要があります。材質 | 引張強さ (N/mm²) | 耐力 (N/mm²) | ヤング率 (kN/mm²) |
---|---|---|---|
A6063-T5 | 185以上 | 145以上 | 約68.9 |
例えば、単純支持されたアルミ角パイプの中央に集中荷重がかかる場合、パイプのサイズ(外径、肉厚)とスパン(支点間の距離)によって耐えられる荷重は大きく変わります。詳細な耐荷重を知りたい場合は、後述する強度計算の考え方を参照するか、専門業者に相談することをお勧めします。
アルミ角パイプと他素材の強度を比較する

(アルミニウムの強度 引用:一般社団法人 日本アルミニウム協会 https://www.aluminum.or.jp/publication/pdf/pamphlet_properties_and_main_uses.pdf )
鉄(スチール)角パイプとの強度比較
一般的に、同じ断面積で比較した場合、鉄(スチール)の方がアルミニウムよりも強度(特にヤング率)が高いです。アルミニウムのヤング率は鉄の約1/3と言われています。これは、同じ荷重をかけた際にアルミニウムの方が変形しやすい(たわみやすい)ことを意味します。 しかし、アルミニウムは鉄の約1/3の重量であるため、同じ重量で比較すると、断面積を大きく設計できる分、アルミニウムの方が有利になる場合もあります。特性 | アルミ角パイプ (例: A6063) |
鉄角パイプ (例: STKR400) |
備考 |
---|---|---|---|
重量 | 軽い | 重い | 鉄はアルミの約3倍の比重 |
ヤング率 | 約69 GPa | 約200 GPa | 鉄の方が変形しにくい |
引張強さ | 合金による (A6063-T5: 185MPa以上) |
400MPa以上 | 一般的に鉄の方が高い |
耐食性 | 優れる | 劣る(錆びやすい) | アルミは自己防錆皮膜を形成 |
加工性 | 容易 | 比較的容易 | アルミの方が切断・曲げ加工がしやすい |
コスト(材料) | やや高め | 安価 | 相場により変動 |
どちらの素材を選ぶかは、軽量化の必要性、求められる剛性、耐食性、コストなどを総合的に比較検討して決定する必要があります。 (鉄の強度 引用:日本産業標準調査会(JISC) https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html )
ステンレス角パイプとの強度比較
ステンレスも耐食性に優れた金属ですが、アルミニウムと比較すると重量があり、加工性がやや劣る場合があります。強度面では、ステンレスの種類にもよりますが、一般的にアルミニウム合金よりも高い強度を持つものが多いです。特性 | アルミ角パイプ (例: A6063) |
ステンレス角パイプ (例: SUS304) |
備考 |
---|---|---|---|
重量 | 軽い | 重い | ステンレスはアルミの約3倍の比重 |
ヤング率 | 約69 GPa | 約193 GPa | ステンレスの方が変形しにくい |
引張強さ | 合金による (A6063-T5: 185MPa以上) |
520MPa以上 | 一般的にステンレスの方が高い |
耐食性 | 優れる | 非常に優れる | ステンレスは特に錆びにくい |
加工性 | 容易 | やや難 | ステンレスは硬く加工が難しい場合がある |
コスト(材料) | やや高め | 高い | 一般的にステンレスの方が高価 |
美観や極めて高い耐食性が求められる場合、あるいは高温環境下での使用などではステンレスが有利ですが、軽量性や加工のしやすさ、コストを重視する場合はアルミ角パイプが適しています。 (ステンレスの強度 引用:一般社団法人 ステンレス協会 https://www.jssa.gr.jp/contents/faq_search/70/)
木材との強度比較
DIYでよく使用される木材と比較すると、アルミ角パイプは同じ太さであれば格段に高い強度と剛性を持ちます。また、吸湿による反りや割れ、腐食や虫害の心配がないという大きなメリットがあります。特性 | アルミ角パイプ | 木材 (例: SPF材) |
備考 |
---|---|---|---|
強度・剛性 | 高い | 低い | 同じ断面積ならアルミが圧倒的に強い |
重量 | 軽い | 種類による | アルミは軽量 |
耐久性 | 高い(耐食性) | 低い(腐食、虫害) | 屋外使用ではアルミが有利 |
加工性 | 比較的容易 | 容易 | 専用工具があればアルミも加工しやすい |
寸法安定性 | 高い | 低い(吸湿変形) | アルミは環境変化に強い |
コスト | やや高め | 安価 | 木材は入手しやすい |
棚の支柱や作業台の脚など、ある程度の強度と精度が求められるDIYでは、アルミ角パイプは非常に有効な選択肢となります。木材のような温かみはありませんが、シャープでモダンな仕上がりになります。 (引用:国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 https://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kenkyuu/db-mokuzai/mokuzai-DB-1.html )
アルミ角パイプの強度計算の考え方を知る
アルミ角パイプを構造部材として使用する際には、かかる荷重に対して十分な強度があるかを確認する必要があります。ここでは、強度計算の基本的な考え方について触れます。強度計算に必要な基本的な指標とは
アルミ角パイプの強度を評価するためには、いくつかの重要な指標を理解しておく必要があります。・断面二次モーメント (I)
部材の曲がりにくさ(曲げ剛性)を表す指標で、断面の形状と寸法によって決まります。値が大きいほど曲がりにくいことを示します。単位は通常 mm⁴ や cm⁴ です。角パイプの場合、外寸法と肉厚から計算できます。
・断面係数 (Z)
曲げ応力(部材が曲げられたときに内部に発生する力)の計算に用いられる指標で、断面二次モーメントを中立軸から断面の最も外側までの距離で割った値です。単位は通常 mm³ や cm³ です。 許容応力 (σa, τa): 材料が安全に使用できる応力の上限値です。材料の基準強度(降伏点や引張強さ)を安全率で割って求められます。引張や圧縮に対する許容応力(σa)と、せん断に対する許容応力(τa)があります。
・ヤング率(E)
材料の変形のしにくさを示す値で、縦弾性係数とも呼ばれます。アルミニウム合金の場合、約69kN/mm²(69GPa)です。[2] これらの指標を用いて、部材にかかる応力やたわみ量を計算し、許容値以下であるかを確認します。
強度計算時の注意点と専門家への相談

DIYレベルで簡単な棚などを作る場合は、 基本的な考え方で概算することも可能ですが、人の安全に関わる構造物や、大きな荷重がかかるもの、複雑な形状のものについては、必ず専門知識を持つ設計者や業者に相談し、詳細な強度計算を依頼してください。
強度計算においては「安全率」を考慮することが非常に重要です。安全率とは、材料の基準強度に対して、実際に許容する応力をどれだけ低く設定するかという係数で、予測できない荷重の変動や材料のばらつき、加工精度などを考慮して設定されます。一般的に、静的な荷重であれば1.5~3程度、衝撃荷重がかかる場合はさらに大きな安全率を見込む必要があります。 自己判断での設計は、思わぬ事故につながる可能性があるため、十分注意しましょう。
強度を考慮したアルミ角パイプの選び方

用途に応じた材質(合金種類)の選択
アルミニウム合金は、添加される元素によって特性が大きく異なり、JIS規格で番号が分類されています。強度と関連性の高い代表的な合金には以下のようなものがあります。合金番号 | 主な添加元素 | 特徴 | 強度(代表例) | 主な用途例 |
---|---|---|---|---|
A6063 | Mg, Si | 押出性に優れ、耐食性も良好。最も一般的な構造用合金。T5処理で強度を向上。[1] | 中程度 | サッシ、手すり、DIY、一般的なフレーム材、配管 |
A6061 | Mg, Si, Cu | A6063より強度が高い。耐食性も良好。T6処理でさらに高強度化。 | やや高い | 構造材、機械部品、船舶、車両部品 |
A5052 | Mg | 中程度の強度を持ち、耐食性、溶接性に優れる。加工硬化で強度向上。 | 中程度 | 一般板金、船舶、車両用材、化学プラント部品 |
A7075 | Zn, Mg, Cu | アルミニウム合金の中で最高クラスの強度を持つ(超々ジュラルミン)。T6処理が一般的。 | 非常に高い | 航空機部品、スポーツ用品、高強度構造材(耐食性は他の合金に劣る場合がある) |
用途に求められる強度、耐食性、加工性、コストなどを総合的に比較し、最適な合金を選定することが重要です。例えば、一般的なDIYや軽量な構造物であればA6063、より高い強度が求められる場合はA6061などが選択肢となります。
肉厚と外径サイズの適切なバランス
アルミ角パイプの強度は、外径サイズだけでなく、肉厚にも大きく左右されます。一般的に、外径が大きく、肉厚が厚いほど強度は高くなりますが、その分重量も増し、コストも上がります。例えば、同じ外径の角パイプでも、肉厚が1mmのものと2mmのものでは、断面二次モーメントや断面係数が大きく異なり、耐えられる荷重も変わってきます。用途に対して過剰な強度を持たせることはコスト増や重量増につながり、逆に強度が不足すると安全上の問題が生じます。
想定される荷重やスパン(長さ)、求められる剛性(たわみにくさ)などを考慮し、適切な外径と肉厚のバランスを見極めることが大切です。メーカーのカタログなどに記載されている規格サイズ表や強度データを参考にすると良いでしょう。
断面形状(角、丸、リブ付きなど)による強度の違い
この記事では主に角パイプについて扱っていますが、アルミ形材には丸パイプや、断面内部に補強のためのリブ(突起)が設けられた異形パイプなど、様々な断面形状があります。一般的に、同じ断面積であれば、中空の角パイプや丸パイプは、中実の棒材に比べて曲げ強度やねじり強度で有利になることがあります(材料を効率的に配置できるため)。
リブ付きのパイプは、リブがない単純な形状のパイプに比べて、特定の方向への強度や剛性を高めることができます。ただし、リブの配置や形状によって効果は異なり、押出金型も複雑になるためコストが上がる傾向があります。 用途に応じて、どのような方向の力に強くしたいか、どの程度の剛性が必要かなどを考慮して、最適な断面形状を選択することが望ましいです。特殊な形状が必要な場合は、専門メーカーに相談してみましょう。
アルミ角パイプの強度を活かした活用事例
アルミ角パイプはその優れた強度重量比から、DIYから産業用途まで幅広い分野で活用されています。ここでは具体的な活用事例と、強度を高めるための工夫について紹介します。【参考】ご注文事例・アルミ角パイプ押出製作
DIYでの活用事例(棚、作業台など)
DIYにおいてアルミ角パイプは、その加工のしやすさと軽さ、そして十分な強度から非常に人気の高い素材です。・棚&ラック: 本棚やディスプレイラック、収納棚などのフレームとして使用されます。木材と組み合わせて使用することも可能です。例えば、20mm角~30mm角程度のA6063材の角パイプであれば、一般的な家庭用の棚として十分な強度を確保できる場合が多いです。
・作業台・デスク: パソコンデスクや作業台の脚、フレームとして活用されます。安定性と強度を確保するため、太めの角パイプ(例:40mm角以上)を使用したり、筋交いを入れたりする工夫が有効です。
・ガーデニング用品: プランターラックやビニールハウスの骨組み、パーゴラなど、屋外で使用するアイテムにも適しています。耐食性が高いため、錆びにくいのがメリットです。
・その他: ペットケージのフレーム、展示用のパネルスタンド、撮影機材のサポートなど、アイデア次第で様々なものが製作可能です。
DIYでアルミ角パイプを使用する際は、接合部の強度にも注意が必要です。専用のコネクタやブラケットを使用したり、ボルト・ナットでしっかりと固定したりすることで、全体の強度を高めることができます。
産業用途での活用事例(フレーム、構造材など)
産業分野では、アルミ角パイプの軽量性と高強度、精密な寸法が求められる場面で広く採用されています。・機械装置のフレーム: 製造ラインのコンベアフレーム、検査装置の架台、ロボットアームの基部など、軽量化と剛性が求められる部分に使用されます。アルファフレームのような専用のアルミフレームシステムも広く利用されています。
・建築構造材: カーテンウォールの下地材、太陽光パネルの架台、展示会場のブース骨組み、クリーンルームの間仕切りなど、意匠性と機能性が両立できます。
・輸送機器: 自動車のボディフレームの一部や補強材、鉄道車両の内装材、船舶の上部構造物など、軽量化による燃費向上や運動性能向上に貢献します。
・その他: 配管支持材、安全柵、はしご・脚立、医療機器の筐体など、多岐にわたる分野でその特性が活かされています。 これらの用途では、より精密な強度計算と、使用環境に応じた適切な合金選定、表面処理(アルマイト処理などによる耐食性・耐摩耗性向上)が重要となります。
強度を高めるための工夫や接合方法
アルミ角パイプで作る構造物の強度をさらに高めるためには、いくつかの工夫が考えられます。・筋交い(ブレース)の追加: フレーム構造の場合、対角線状に補強材(筋交い)を入れることで、横方向の力に対する剛性(変形しにくさ)を大幅に向上させることができます。
・ガセットプレートの使用: コーナー部分の接合部に三角形や四角形の補強板(ガセットプレート)を取り付けることで、接合部の強度と剛性を高めます。
・太いパイプや肉厚のパイプの選択: 基本的ですが、より断面積の大きなパイプや肉厚の厚いパイプに変更することで、全体の強度は向上します。
(適切な接合方法の選択)
・溶接: 強固な接合が可能ですが、熱による歪みや強度低下(合金の種類による)の可能性があり、専門的な技術が必要です。
・ボルト・ナット締結: 分解・再組立が可能で、比較的容易に行えます。適切なサイズのボルトを選び、緩み止め対策を施すことが重要です。
・リベット締結: 比較的簡便で、振動が多い箇所にも使われますが、分解は困難です。
・専用コネクタ・ジョイント: アルミフレームシステムでは、様々な形状の専用コネクタが用意されており、設計の自由度と組み立てやすさを両立できます。
これらの工夫を適切に行うことで、アルミ角パイプの持つポテンシャルを最大限に引き出し、安全で信頼性の高い構造物を作ることができます。
アルミ角パイプの強度に関するQ&A
アルミ角パイプの強度に関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。アルミ角パイプはどれくらいの重さに耐えられますか?
これは非常によくある質問ですが、一概に「何キロまで耐えられます」と答えることは難しいです。耐荷重は、以下の多くの要因によって大きく変わるためです。・パイプの材質(合金の種類): A6063とA7075では強度が全く異なります。
・パイプのサイズ(外径と肉厚): 太く、肉厚なほど強くなります。
・パイプの長さ(スパン): 長いほどたわみやすく、耐荷重は低下します。
・荷重のかかり方: 中央に集中してかかるのか、全体に分散してかかるのかで変わります。
・支持方法: 両端で単純に支えるのか、片側だけで固定する(片持ち梁)のか、両端をしっかり固定するのかで大きく異なります。 ・安全率の考え方: どれだけ安全マージンを見るかによって許容荷重は変わります。
DIYで簡単な棚を作る場合でも、おおよその目安を知りたい場合は、類似の製作事例を参考にしたり、メーカーが提供している簡易的な耐荷重計算ツールなどを利用したりする方法があります。しかし、正確な耐荷重を知るには、前述した強度計算の考え方に基づいて計算するか、専門家に相談することが最も確実です。
アルミ角パイプの強度は経年劣化しますか?
アルミニウムは、表面に緻密で安定した酸化皮膜(Al₂O₃)を自然に形成するため、非常に優れた耐食性を持ちます。このため、通常の屋内環境や一般的な屋外環境であれば、鉄のように錆びてボロボロになり、大幅に強度が低下するということは起こりにくいです。 しかし、以下の様な場合には注意が必要です。・異種金属との接触腐食(電食): 銅や鉄など、アルミニウムよりも電位の高い金属と湿潤環境下で接触していると、アルミニウム側が優先的に腐食することがあります。絶縁処理を施すなどの対策が必要です。
・特定の化学薬品や過酷な環境: 強酸や強アルカリ性の薬品にさらされる環境、塩害が著しい海岸地域などでは、腐食が進行しやすくなり、強度低下につながる可能性があります。このような場合は、耐食性の高い合金を選定したり、アルマイト処理や塗装などの表面処理を強化したりする必要があります。
・疲労破壊: 繰り返し荷重や振動が長時間作用するような使い方をすると、目に見えない微小な亀裂が徐々に進行し、最終的に破壊に至る「疲労破壊」が起こる可能性があります。これはアルミニウムに限らず多くの金属材料で起こりうる現象で、設計段階で疲労強度を考慮する必要があります。
適切に設計・施工され、使用環境が適切であれば、アルミ角パイプは長期間にわたりその強度を維持することができます。
まとめ
アルミ角パイプの強度は、材質、サイズ、形状、そしてどのように使用されるかによって大きく左右されます。この記事では、その基本的な特性から、他素材との比較、強度計算の考え方、適切な選び方、そして具体的な活用事例に至るまでを解説してきました。強度に関する正しい知識を持つことで、アルミ角パイプをより安全かつ効果的に活用することが可能になります。DIYから専門的な設計まで、この記事が皆さんのプロジェクト成功に役立てたつことができたら幸いです。 アルミ角パイプの選定や加工に関するご相談は、ニッカル商工のお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。専門スタッフが丁寧にサポートいたします。

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