地金メルマガ・2020.11.08号(バックナンバー)
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■10月-11月 海外市場と経済の概況■
◎前回までの振り返り
中国にて新型肺炎による初の死者報道(1月中頃)
2月、米株価史上最高値を更新
WHOが新型コロナ流行をパンデミックと表明
コロナショックで株価乱高下、
NYダウ過去最大下落幅を更新
3月半ばトランプ大統領が国家緊急事態宣言表明
東京五輪1年延期を決定
4月7日、安倍首相が緊急事態宣言を発令
世界全体で自動車生産縮小
OPECプラスで原油減産合意
4月20日NY原油、史上初のマイナス価格
4月米国失業率、戦後最悪の14.7%
6月、米NY株式市場のナスダック総合株価指数が史上最高値を更新
7月、米中対立。互いに相手国の総領事館を閉鎖
8月、安倍晋三首相が辞任
9月 菅義偉内閣が発足
LMEアルミ3M(AVE)
8月【1,771.6ドル】↗
9月【1,783.3ドル】↗
10月【1,819.8ドル】↗
【10/20~10/26】
(相場と国際ニュース)
銅は、チリ鉱山のストライキや米経済刺激策への期待感、ドル安などを背景に2年4か月ぶりの高値となり、ロンドン金属取引所(LME)銅3ヶ月先物価格一時7,000ドル/トン台の大台に乗りました。
アルミも、中国の力強い需要に加えドル安を追い風に高値を維持、LMEアルミ3M、10月21日は【1,854.5ドル】でした。
他の非鉄金属も軒並み値を上げています。
中国の7-9月GDPは、4-6月の3.2%増よりさらに改善し、4.9%増との政府発表です。
世界で新型コロナ感染者が累計で4,000万人を超えました。
米国も1日あたりのコロナ感染者数過去最多の8万4千人を記録。
約50ヵ国で新規感染者が数過去最多となっています。
第2波と報じられているドイツやイタリアは1日あたり感染者数が過去最多となり、飲食店の営業時間の規制や人との接触を減らすようの市民への呼びかけを行っております。
アイルランドでは再びロックダウンを施行すると発表しました。21日から市民生活に不可欠でない店舗や飲食店の6週間営業禁止、住民の外出は自宅から5km以内という制限がかかっています。
チェコ(※1)でも再び都市封鎖を22日から実施しております。
フランス、スペインでは累計感染者数がそれぞれ100万人を突破しました。
世界2位の感染者数となっているインド政府の専門委員会は、来年2月までに人口13億人の少なくとも半数がコロナに感染する公算が大きいとの見通しを示しました。
タイ(※2)、バンコクでは連日反政府集会が起こっています。
米司法省とテキサスなど11州がグーグルを独占禁止法で提訴しました。
背景として、自社サービスを優遇する契約をスマートフォンメーカーなどと結ぶなど競争を阻害しているとの疑いがあります。
ペイパル(※3)が世界の加盟店2,600万店で仮想通貨※での支払いを可能にすると発表しました。
UACJは飲料缶需要を狙って、アルミ板生産を2022年をめどに2019年比4割増目指す構えです。タイの工場に390億を投じ生産能力の増強を行う予定です。
ペットボトルからアルミ缶への切り替えによる脱プラスチックが追い風となっています。
(国内ニュース)
ユニ・チャーム(※4)が使用済み紙おむつを紙おむつに再生する事業を始めることを発表しました。
東京ディズニーランドは年間パスポートの払い戻しを始めることを発表しました。
東京オリンピック・パラリンピックの販売済みの観戦チケットについて大会組織委員会が払い戻しを始める方針について報道されています。
日英経済連携協定が署名されました。
【10/27~11/2】
(相場と国際ニュース)
銅相場、一時7,000ドル/トン台の大台も束の間、米景気刺激策を巡る合意が結局また持ち越されたことや、
欧州を中心とする新たな都市封鎖が景気を停滞させるとの懸念が広がったことなどを背景に失速。急落しました。
このところの上昇も、ファンダメンタルズ(※5)に裏打ちされたものではなく、行き過ぎだったのではないかとも言われています。
一方で、世界的コロナ流行による供給中断の可能性もあるため、下値も限定的な模様です。
アルミは大きな変動なく、LMEアルミ3M、10月30日は【1,823.5ドル】でした。
米国は10月30日、1日あたりのコロナ感染者数を記録更新し10万人を記録。
他にも、イタリアやスペイン、オーストリアでも1日あたりの感染者数が最高値を記録しました。
欧州ではコロナウイルスの感染拡大が再び起きており、各地で経済縮小の動きを余儀なくされております。
フランスは30日から全土で1ヶ月のロックダウンを開始しております。
ドイツは11月2日から飲食店や娯楽施設の営業禁止、イギリスでは5日からイングランドでスーパーを除く商業施設の営業禁止、不要不急の外出制限を実施すると発表しました。
スペイン(※6)では10月25日に発令した緊急事態宣言を来年5月まで延長することを決めました。
(国内ニュース)
2020年4-9月のアルミ圧延品、生産出荷共に昨年同期比約15%のマイナスです。
うち、自動車向け出荷は30%減でした。
三井住友銀行の2020年度中に全店の約7割の300店舗の窓口での
現金受け渡しを取りやめる方針が、報道されました。
ソニーは28日、2021年3月期の連結純利益が前期比37%の8000憶になりそうだと発表しました。ゲーム事業や音楽事業などイメージセンサー事業を除く全ての分野で増益を見込みます。
また、同社は世界で7千万人の顧客を抱える米アニメ配信会社クランチロールを買収する方向で親会社との最終交渉に入っております。ソニーは「鬼滅の刃」などの人気コンテンツを持つものの、配信基盤は弱い為、仮に買収が実現すれば動画配信を自前で広げることができます。
コロナの影響にて航空業界は大きなダメージを受けております。
日本航空(※7)は30日、今年4月からの1年間の業績が最大で2700億円の最終赤字になるとの見通しを発表しました。
同業のANAは27日1年間の業績が5100億の最終赤字になるとの見通と、社員を家電量販店の「ノジマ」や高級スーパーの「成城石井」など、グループ外の企業へ出向させるなどのコスト削減を発表しました。
【お知らせです】
次回のニッカル地金メルマガは、
11月19日(木)配信予定となります。
次回も、どうぞよろしくお願い致します。
(11月5日付 小野寺 辰之)
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■なるほどニッカルキーワード■
※1.チェコ共和国
人口約1000万人のEU加盟国。1993年にスロバキアと分離・独立。主要産業は自動車及び関連機器、電気機器でドイツやポーランドが主要貿易国となる。
日本との関係は旧チェコスロバキア時代から良好であり、本年度は交流100周年である。
※ 2.タイ王国
人口約6,900万人、東南アジアに存在するASEAN加盟国。
政体は立憲君主制であり、現ワチラロンコン国王は2016年に即位。
日本とは600年にわたる交流の歴史を持ち、伝統的な友好関係を築いている。
※ 3.PayPal
通販サイトなどで使用できる決算代行サービス。運営はアメリカのPaYPal Holdings lnc.が運営。
PayPalにクレジットカードや銀行口座を登録して利用し、現在では世界2400万以上の店舗で利用可能である。
※ 4.ユニ・チャーム株式会社
1961年に設立した衛生用品メーカー。1974年に旧大成化工から現在の社名となる。
「ムーニー」や「ソフィ」などの有名ブランドを持ち、紙おむつや生理用品では国内シェアトップを誇る。
※5.ファンダメンタルズ
経済用語の1つで国や企業の経済活動状況を示す基礎的な要因の事。
具体的にはGDPや雇用統計、物価指数、業績、財務状況など株価や為替の動向を予想する基礎的なデータ。
※6.スペイン王国
欧州にある、人口約4,693万人の国。
主要産業として自動車や観光業が有名であり、近年日本からは毎年約50万人程の観光客が訪れている。
日本とは伝統的に良好な関係であり、1868年の修好通商航海条約から関係が設立。2018年に外交関係樹立150周年を迎えた。
※ 7.日本航空株式会社
1951年に設立された日本を代表する航空会社。1954年に初の国際定期便の運輸を開始。
2010年に一度財務悪化により会社更生法の適用を申請し経営体制を変更している。
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